切手と風景印

 ある年齢以上の人にとって、切手収集はプラモデル作りや探検ごっこなどと並んで「一度は通過してきた道」ではないだろうか。僕も小学校低学年から高学年にかけて、お小遣いを貯めては珍しい記念切手を売っている「切手屋」に行って額面以上の値段を出しては買っていたものだった。
 しかし中学校に上がる時分になると、切手は使うものになり、額面以上の金を出すこともなくなった。古い切手は額面の数字が小さい。だから今思えばかなり勿体ないのかもしれないが、手持ちの金が無くて珍しいから集めたはずの切手を封筒に貼って出してしまったこともあった。
 大学生の頃には昔集めた切手など本棚の一オブジェと化してしまっていたので、知人に安価で切手帳ごと譲り渡した。以来、自分が実際に使うであろう切手は鞄の中にいつも持ち歩いている。切手はもう「どうやって使うか」を楽しむものである。
 宛先と自分の住所・名前を書き、最後に切手を貼る。葉書ならば50円、定形の封筒ならば80円。年中、50円切手と80円切手は切らさないようにしている。万年筆のインクも同じだ。
 時間に余裕があるときなどは郵便局で「風景印」を押してもらって送るようにしている。その郵便局独自の綺麗な消印を押してくれる。風景印も収集家がいるというが、僕はこれも集めない。もっぱら誰かに送るために押してもらう。日常の郵便物から時候のあいさつの手紙に至るまで、ちょっとしたアクセントだと思っている。
 最近、シール切手が便利だと思い、発売されれば買うようにしている。しかし、どうもかわいらしい絵柄が多くて大人の男には気恥ずかしいものがある。勢いで買ってしまったキティちゃんのシール切手は、子どものいる友人宛に使った。もっと渋いシール切手はないものだろうか。
 もはや僕は切手は額面通りのお金を出して買うものだと思っている。しかし、美しい切手、楽しい切手を買い求めるときの情熱は小学生の頃となんら代わりがないようである。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

なるほど(納得、参考になった、ヘー)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック