北海道標津町「メロディーロード」探訪

北海道の根室海峡に面し、知床半島の付け根に位置する町、標津町にはメロディーロードと呼ばれる道路がある。正式には「町道川北北7線」という。場所は中標津空港から道道774号線(川北中標津線)をまっすぐ国道244号線方向に進み、標津町川北の中心部を通って約2kmぐらいのところにある。その一部、約250mには道路に細かな溝が施してあり、車で走ると森繁久彌作詞・作曲の有名な『知床旅情』のメロディーがタイヤとアスファルトの摩擦により、聞こえてくる仕組みになっている。

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(右折するとメロディーロード)
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メロディーロードの開始地点にはこんな標識が立っている。「音符の飛び出しに注意」ではない。
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音の出る路面の横には音に合わせてひらがなの表示がある。
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これは冒頭の「知床の岬に」の出だしの「しれ」である。この地点に至るまでにある程度の速度に達していないとメロディーは聞こえてこない。映画『バック・トゥー・ザ・フューチャー』でマーティー・マクフライがデロリアンを走らせて落雷の地点までにある速度まで達せようとするクライマックスは有名だが、僕もあの意気込みで先ほどの音符の標識から車を走らせた。ただし、マーティーのようなスピードは出さないが。

1回目の走行では最初から最後まで40km/hで走らせた。テンポが明らかに遅い。バラードになっている。
またスタート地点に戻って2回目。今度は50km/hで走った。まだやや遅い。
55km/hではどうだ、と3回目。母が加藤登紀子のファンなので、僕も小さい頃から繰り返し聴いているメロディーである。これぐらいがちょうどいい感じだ。帰宅後にインターネットで検索してみると、60km/h走行で試した走行記が多いが、僕の感覚では55km/hがちょうどよかった。ちなみに標津町のサイトでは「制限速度内で」とあるだけで速度の指定はされていない。制限速度を超えて走るとパンクロック調になるだろう。

2回目の走行から違和感を持っていたことがある。「思い出しておくれ」の「れ」の音が、どうも違和感がある。3回目の走行で、テンポがだいたい合ったところで、それは確信に変わった。「れ」の音が低いような気がするのだ。ただし、これは僕の「絶対音感」ならぬ、「絶対鈍感」によるものだから、あてにはならない。僕の車のタイヤのせいか、路面が経年変化を起こしているのか。どうしても確信が持てずに、iPODに入れてある耳慣れた加藤登紀子の『知床旅情』をカーステレオで聴いて確かめてみた。やはり、「れ」が違って聞こえる。よもや加藤登紀子の歌唱が間違ってはいないだろう。僕の耳がおかしいのか。あるいは森繁久彌作曲の原曲が異なっているのか。それはよくわからないが、99%は僕の耳のせいだ。

ところで、ひらがなの表示の最後はこうなっている。
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1番の歌詞の「俺たちのことを」の「の」である。道道774号線まではまだ距離があるのだからせめて「ことを」まで作ってほしかった。中途半端であり、走り終えても何か不満足感が残るのだ。3回目の走行を終えると僕は自分で「の」の後で、補って歌った。「こ~とを~」と。「あなたも歌いましょう」という意図があるのかどうかは知らない。

『知床旅情』の舞台は北どなりの世界遺産・知床にして「魚の城下町」のキャッチフレーズのある羅臼町である。この続きを羅臼町内の道路に作ってはどうかとも考えたのだが、羅臼町内の道路は曲がりくねった道が多い上に、交通量の多い国道が貫いているので、難しいだろうか。

さて、『知床旅情』の1番の歌詞はこうである。
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『知床旅情』 作詞・作曲 森繁久彌

  知床の岬に はまなすの咲くころ
  思い出しておくれ 俺たちのことを
  飲んで騒いで 丘にのぼれば
  遥か国後に 白夜は明ける
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名曲に異を唱えることはないが、ちょっと補足を。丘に登らなくても、晴れていればすぐそこに見える。「遙か」というよりは、もうちょっと近い感じだ。いくら緯度が高い知床といえども、夏至でも白夜にはならない。道東は、夏至の頃を挟む期間には、朝3時台にはかなり外は明るくなるが、白夜ではない。さらに、丘に登るのはいいが、山の中はヒグマが出る可能性があるので、注意しないといけない。酔っぱらって軽装備では危ない場合もある。ちなみにエゾシカは至るところにいるが、基本的にとてもおとなしい。

メロディーロードの周辺の風景である。広い牧草地が両側に広がる。ひたすら広い。
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コンクリート製の遺構も見られた。これはいったい何だろうか、よくわからない。
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まだ聴き足らず、4回目の走行に備えて音符の標識の前に車を止めて新鮮な空気を吸っていたときのことである。メロディーロードを走るほかの車が来た。普通ならば排気音とタイヤとアスファルトの摩擦音が聞こえるはずである。ところが、である。走り去る車は「ブロロロ・・・」という排気音とともに、『知床旅情』のメロディーをタイヤが奏でながら「しれーとこーのみさきをー」と走り去ったのである。想像してほしい。『知床旅情』で走り去る車を。もしここを訪れる人がいたら、他の車が奏でる音も聴いてみてほしい。ただし、30分ぐらいメロディーロードにいて、他に走り抜けた車は2台だけだった。観光シーズンの昼間ならもっと多いかもしれない。

雪が降る季節はこの道は除雪がされず、『知床旅情』も聞こえないようなので、訪れるなら雪の降らない季節である。冬が来る前に、もう一度、聴きに行こうと考えている。


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この記事へのコメント

2008年09月23日 10:29
道路がメロディーを奏でるなんて、素敵ですねぇ♪
私はまだ聞いたことがありません。
3・3・7拍子のようなものならあるんですけれど。
北海道はもうずいぶん前に社員旅行でお決まりの函館~小樽まで3泊4日で行ったことがあるけれど、北や東のほうはまだです。

あ、余計なお世話を言っていい?
写真のバイト数をもう少し小さくすると、ブログが軽くなるかな。
2008年09月23日 10:49
コメントありがとうございます。
写真は面倒なので(!)そのままUPしてしまっています。本当は1枚ずつ加工すべきなんでしょうが。

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