インフィオラータ神戸2006

画像
北野坂にさしかかって思い出した。10年まで行かないけれどそれに近いくらい以前のある休日のこと、ハーバーランドからメリケンパークあたりをサイクリングしていた。その頃は自転車に没頭していて可能な限り自転車で出かけていた。海辺で休憩していた。海を眺めるのが好きなのは幼い頃から神戸港に豪華客船が来る度に見に連れて行ってもらっていたからかもしれない。今も、ぼんやり海を眺めると心が落ち着く。海を見ていた身体を反転させれば山が見える。ハーバーランドなら碇山や市章山、それより東ならば布引山あたりだろうか。山が見えた。海抜0メートルに近い位置からどこまで登れるだろうかと思い立った。もともと体育会系ではない。むしろ運動は不得意だから大したものではない。大体のところまで行こうと思い立った。

北野坂にさしかかるまでは大した勾配もない。鼻歌さえ出てくるような緩やかさだ。ところが、である。北野坂の入り口にさしかかったところで考えた。このまま登るか、止めるか。止めるのは簡単だ。今来た道を引き返すか幹線道路沿いに緩やかな坂を走ればいい。初志貫徹。北野坂を登ることにした。坂の1m目からペダルが重い。降りたい。降りない。押さない。登る。軽いギアが付いた自転車とはいえきつかった。坂の上にはまだ坂があってさすがにそこはあきらめた。

それで、インフィオラータである。花や草と一部は色の着いた砂を敷き詰めた大きな絵が何枚も並び、周囲にはそれらから香気が漂い、湿気を含んだミストが坂を包んでいた。植物が持つ生命としての「気」のようなものを感じながら、この日は歩いて坂を登った。

坂の頂上で思い出した。「海抜ほぼ0メートルからの挑戦」はまだあった。摩耶埠頭から六甲ケーブル下駅までも自転車で登ったのだった。あれはしんどいだけで風景を楽しむ余裕などこれっぽっちもなかった。阪急六甲駅を越えるまでも長かったが、そこからが長く辛かった。ペダルを踏むと頭が真っ白になるよりは、色んな考えが頭をよぎるのである。ヘトヘトになりながらも考え事が進んでいく。しかし、下り坂の爽快感で半分は忘れてしまうのであった。またいつか自転車を乗り回す日が来るだろう。坂にひたすら挑戦するのかどうかはわからない。でもそこに坂があるかぎり、登りたくなるような気がする。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック